現在仁和寺は真言宗御室派総本山となっていますが、
元は御室御所という雅なところでした。
小高い山を背景に、広々とした境内も、
なぜかのどかな御所の雰囲気が漂っています。
国宝の金堂を見ても、宮殿から仏堂へ用途の変更をするため、
屋根を檜皮葺きから瓦葺きに変えるなどの改造を行っていますが、
宮殿建築の雰囲気をよく残して、お寺臭くないところが魅力です。
世界文化遺産は不動産に限られているため、
建造物と庭園を対象にされたものですが、
仁和寺の美しさは御室という借景があってこそのものです。
この御室という地を除いては考えられない文化遺産なのです。
国宝 「孔雀明王像」
仁和寺の霊宝館には国宝、重要文化財等が多く所蔵されています。
中でもめったに見られない国宝の絵画に「孔雀明王像」があります。
最近「孔雀明王」が漫画や小説で人気だそうです。
明王とは仏を信じない民衆を、力を以て導く
「慈悲の怒り」に満ちた仏様であります。
だからみなさん大変こわい顔をしていらっしゃいますが、
孔雀明王だけは菩薩様のように優しいお顔をされて、
一面四臂(顔がひとつに腕が4本)の姿が多いとのこと。
孔雀明王は密教では特別な修法の御本尊として重要です
とりわけ真言密教の醍醐寺、仁和寺において重視されました。
インドでは古来より孔雀は毒蛇を食べるといわれており、
その力を神格化し密教が取り入れ孔雀明王を成立させました。
毒蛇のような世の中の三毒、
貪(むさぼり)/瞋(いかり)/癡(ぐち)を持つ者に対して、
仏に帰依する以前は悪鬼、鬼神の類であったという
二十八部衆を従えて、孔雀の威力をもって悪を懲らしめる、
スーパーヒーローといったところです。
仁和寺の「孔雀明王像」は三面六臂に描かれており、
正面の顔はやさしいが、両側には怒りの表情を持っています。
オリジナルは特別拝観期間でも、なかなか見る事ができません。
ご本尊も国宝の「木造薬師如来坐像」。本体の像高11センチ、
光背と台座を含めても24センチほしかない白檀材の小像ですが、
これも秘仏のためお顔を拝む事はできません。
仁和寺の「二王門」は、金剛力士を安置したとても大きな
二王門として京都でもとくに有名です。
仁和寺では「仁王門」ではなく「二王門」と呼びます。
仁和寺では、この二王門を舞台にして不定期的に行われる
野外コンサートがたいへん人気です。
二王門をくぐると、宝堂に行くまでに広い空間があります。
そこに観客の座席を置き、重要文化財の二王門を
大きな舞台セットに見立てることで
荘厳な迫力タップリのステージが作られるのです。

夕暮れ時から始まり、徐々に陽が落ちていくにしたがい、
二王門に舞台照明が当てられその姿が浮かんできます。
クラシックから民族音楽、フォークソングまで
どんな調べにも仁和寺はこたえてくれます。
大門にこだまする音のしぶきは、あたかもこの地に
様々な芸術を生み出した同胞たちを呼び起こすような響きになり、
本物だけに感じる心の振動となって身体を揺さぶります。 |
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