日本酒と京都ウエストサイド物語



 

 日本酒のページ

   

初めての純米吟醸酒

待ち合わせの喫茶店は夜にはパブになる小さな店で、暇つぶしに何気なく取り上げたその本はカウンターの隅の小さな本棚に立てかけてあった.。
題名は「ほんものの酒を! あなたはニセモノを飲んでいる」というタイトルで、日本消費者連盟の本だった。
1982年に出版された本だから、今の常識とは少しずれているところもあり、全てが正論でもない本ではあるが、逆にそんなむかしにこの本が書かれていた事実が大切だと思う。

若かった私は、当時まだ純米酒という名称すら認識していなかった。一級酒・二級酒という分け方で納得していた馬鹿正直な消費者だったのだ。
その本をどこまで真に受けてよいのかわからなかったが実際驚きをもって読み、その店を出てすぐ、岐路につく足で直ちに書いてあったことを実践してみることにした。その内容はこうだった。

1. 純米酒への啓蒙
日本酒は古来より米と米麹とでつくられるもので、戦中の物資不足のためにアルコールや糖類を混ぜて作られるようになった日本酒はニセモノである。だから本物の酒は純米酒でなければならない。

2. 購入方法
酒屋で店主に「純米酒ありますか」と聞く。(しごく当然のことだが・・・)当時だと店主が「純米酒って何ですか」と聞き返してくるかもしれないので、そんな場合は無視して陳列棚から自分で探す(これもしごく当然)。ラベルに目をこらして眺めると原材料が必ず表記されているので、「米」と「米麹」だけが書かれている酒を探せというのだ。店に無ければ当然違う店を探す。

3. 飲み方
もしあなたが純米酒を見つけることが出来たなら、それは大変ラッキーなことであるとも書いてあった。そしてその酒瓶を大事に家まで持って帰ってもすぐに飲んではいけません。ひと息深呼吸をしてから心を落ち着け、おもむろにグラスに注いだ純米酒をヒヤでゆっくりじっくり味わってみなさい、そこにはあなたの思いもしない素晴らしい日本酒の世界が驚きとなって広がっていくでしょうとあった。

昔に読んだ本のうろおぼえなので、こんなに大袈裟に書いてあったかは忘れたが、実際に私はこの通りに酒屋で購入し、書かれたとおりに飲んでみたのである。それ以来、私は日本酒党になり現在に至っている。
この本の良し悪しは別にして、日本酒の美味しさを理論的に教えてくれた私の最初の本であり、今でも強烈に記憶に残っている。

私が本のいう通りに買って初めて飲んだ純米酒、それは・・・
和歌山の酒造メーカー「世界一統」の「一」(いち)という吟醸酒でした。
HPで調べてみると(平成19年5月現在)「一」の吟醸、大吟醸は共に純米ではないが、関東へ出荷の分につき純米で「紀州の大吟醸」と名前を変え出荷しているらしい。電話で聞いたところ、確かに20年前には「一」の名前で純米吟醸を出荷していたそうだ。値段は当時2000円でした。

アル添や糖類たっぷりの酒しか飲んだことのなかった私が、初めて飲んだ純米酒、しかもそれは吟醸酒だった。そりゃあ旨かっただろうと想像する。あまりの旨さにもう一杯と、すぐに五合を飲んでしまった。
すこし苦手だった日本酒を一気に五合飲んだ自分にも驚いたが、初めて日本酒の奥深さを感じた思いがした。それ以来友人に日本酒を勧めるようになったが、あの感動をなかなか人に伝えることは難しい。

日本酒が好きになって自分が変ったことは、食べ物の好き嫌いが無くなったことです。得意でなかった魚料理が好きななったこと。野菜も同様でおひたしや胡麻和え、煮物など全てが日本酒を中心に考えると好物になってしまった。たとえそれがゲテモノと呼ばれるようなもの、たとえばイナゴやスズメバチのカラ揚げやイモリの黒焼きにしたって、「それで一杯」と考えると食えてしまうから面白い。独特の臭みや、苦さも日本酒を飲むとそれなりの肴になってしまう。まさに魔法の酒のように感じる。

私は酒さえあれば何もいらない、塩だけで飲めるというような猛者ではない。晩酌にはなにかいつも肴が欲しいほうだ。酒を美味しく飲むために料理があるのか、料理を美味しく食べるために酒があるのか、どちらも美味しくいただく人生は最高である。

日本酒ファンにはなったものの、不味い純米酒もたくさんあり、美味しい本醸造の地酒もたくさんあった。自分の舌に自信があるわけでもなく、銘酒と駄酒の利きわけも出来ず、いつまでも高い吟醸酒をありがたがって飲んでいるごく普通の消費者。明確な自分好みの味の基準もあいまいで、漠然と日本酒が好き、日本料理にはやっぱり日本酒だ!というだけの日本酒党。私はそんなごく一般的な人たちのひとりだったわけです。

第二の衝撃

酒飲み仲間から上原浩氏の「純米酒を極める」という本を読めと渡された。それを読破してからマンガ「夏子の酒」を読むようにとの指示もついていた。
・・・感動した。「夏子の酒」には涙さえ出そうになった。
新潟の端麗辛口を冷で絶賛することしか知らないような自分が情けなくなった。初めて純米吟醸を飲んで感動したあの頃を思い出した。もう一度日本酒と向き合ってみようという気にもなってきた。

応援してます京都ウエストサイドの酒蔵

私の認識不足であった。なんと京都ウエストサイド・エリアに酒蔵があったのだ。
その名は佐々木酒造。京都市街に残る唯一の造り酒屋である。

むかし京都の街中には300余りの酒蔵があったとか。千利休が茶の湯に使った「銀名水」と同じ水脈により醸し出された酒は、代々歴史上の人物達が愛した酒でもあったろう。今では市街の立地条件を嫌いその地を伏見に代えてしまった京の酒蔵で、唯一残された最後の砦かもしれない。


京都府下の酒蔵は伏見以外にも約20蔵ほどありますが、
どうしてもよく立ち寄る酒蔵を応援したくなりますネ。


佐々木酒造
京都ウエストサイドに残された京都市街最後の酒蔵。

羽田酒造
毎週通る周山街道にある酒蔵。地ビールも美味い。

ハクレイ酒造
私の先祖が眠る丹後由良の酒蔵。墓参の帰りに必ず寄ります。





あなたはニセモノを飲んでいる「本物の酒を!」 1982年発行

 
原材料名を確認してから購入しなければならない。  


    


     世界一統 特選吟醸酒「一」イチ
     
     20年前には
     純米吟醸の「一」があった。
     
     純米酒との初めての出会いでもあり
     吟醸酒の存在を知ったのも、
     この酒がキッカケだった。
        

 


 
ある意味「ほんものの酒を!・・」より過激な内容の本かも  
上原浩 著 「純米酒を極める」 2002年初版  


    
上原氏がモデルの人物も登場する「夏子の酒」尾瀬あきら著






 
佐々木酒造で搾り立てを試飲。     ハクレイ酒造前にて記念写真。


京都ウエストサイド物語HOME
@ 京都 花園エリア  
●妙心寺  
●法金剛院


A 京都 きぬかけの路エリア
●金閣寺  
●等持院  
●龍安寺 



B 京都 御室エリア
●仁和寺  
●京都で八十八ヶ所 


C 嵐電と京都再生
●市電と未来の京都
●京都の世界遺産
●伝統的建物群保存地区

D 京都 太秦エリア
 
●映画ストリート
●広隆寺  
●古代京都の蛇塚
  
●蚕ノ社とキリスト



E 京都 嵐山エリア  
●琴聴き橋
●法輪寺  
●天竜寺  
●野々宮神社
  
●嵐山モンキーパーク  
●保津川下り
●大河内山荘  
●角倉了以
  
●亀山公園

●時雨殿

F 京都 嵯峨野エリア
 
●常寂光寺
●二尊院  
●祇王寺  
●滝口寺  
●落柿舎  
●清涼寺  
●化野念仏寺 
●愛宕念仏寺
●直指庵  
●大覚寺



○ウエストサイド番外地

●天神さん大好き
●バイクで周山街道
●高雄散策

●酒の神様
○プロフィール
○ My Hobby Life

●愉悦のホームシアター
●50歳からのバイク
●DIYと丸太小屋
●武士のたしなみ
●まことの酒

○リンクについて
●京都お役立ち情報
●京都観光案内板
●京都探訪
●ウエストサイド・リンク
●京都再生と街づくり
●フォト・映画関連
●Enjoy Life Link

●Playing Room
●Favorite Link
●ありがとうリンク
●相互リンク



京都ウエストサイド物語


Copyriht(C) Kyoto West Side Story All Rights Reserved