ホームシアター

 京都 嵯峨野「野々宮神社」
 

ホームシアター「寝巻キネマ」

   

ホームシアター「寝巻キネマ」


ゴジラが誕生した昭和29年に私も生まれた。 
映画館の前でスチール写真を眺めるのが好きだった少年は、
大きくなったら石原裕次郎になると決めていた。

映画館は私にとって魔法の館・・・  
ベルが鳴り、場内が薄暗くなる瞬間に、めくるめくような快感が、湧き上がってきたものだ。

今では手軽に自宅で大画面を楽しむことができるようになった。 
くつろいだ格好で、ゴロ寝で観るのが我が家のスタイル。
つまらない映画ではそのままぐっすり寝てしまう。 
ああ、なんという贅沢。 名付けて「寝巻キネマ」。 今夜も開演のベルが鳴る。


最近は100インチ以上のプラズマディスプレイも開発されたというが、いくら大きくてもテレビで映画を見るとなにか物足りなさを感じるのはなぜだろう。スクリーンがあってこそ映画なのだとつくづく思う。

・・・・・1980年頃
学生時代に、学校備品のビデオカメラで撮影の手伝いをしたことがあった。なんとビデオテープはオープンリールだったのを思い出す。その後何年かして、ソニーがカセットビデオレコーダーの第1号機を発売した。知り合いの家にそれがあったのでよく覚えている。重さは実に20キロはあったろうか、二人でないと運べないほど重かった。


 1975年発売ベータマックス1号機 SL−6300



・・・・・1980年頃  VHS vs Beta
映画がビデオテープとして売られるようになったが、確か定価は1万円以上したように覚えている。ビデオレコーダーの普及に伴い、ビデオのレンタルも始まった。レンタル料は当時の映画館のロードショーの値段と同じ1200円で、何人かで観ないともったいない値段だった。みるみるうちにレンタル料は安くなっていったが、VHS対Betaは熾烈な戦いを展開しており、レンタル屋には両方が置かれているという時代が長く続いた。

ホームシアターを趣味とする者にとって、画質は最優先しなければならない課題だった。画質が良くないと大画面ではよけいに荒い画像になってしまうからだ。経済的に長時間録画できるVHSか画質の綺麗なBetaかの選択は悩むところだったが、度胸一発!清水の舞台から飛び降りるつもりで当時24万円もするBetaの高級機SL-HF900を購入した。その後VHSの躍進は周知の事実であり、DVD登場までその王座は揺るぎが無かった。そして2002年、遂にソニーは正式にベータ・ビデオデッキの生産終了を宣言した。
今やDVDに地位を奪われ配線さえされていない歴代戦士。下がSONY SL-HF900

・・・・・私は窓際族
子供は電車に乗ったら窓際に座るのが好きだ。私も、どうしてこんなに面白いのに大人は窓の外を見ないのだろうと不思議に思ったもので、実は今でも飛行機に乗ったら窓際を選ぶ。窓の景色を眺めて想像の世界に心を馳せるという童心を忘れてしまわないために。
映画館に入って、前の方に座るか後ろにするかは人によって様々で、私の聞き取り調査の印象では7:3くらいで後ろを選ぶ人が多いように感じる。私の場合、視野が丁度画面いっぱいにになるくらいに座る主義だが、同伴者はたいていもっと後ろに座りたがる。昔AV専門雑誌に「映画を観るときに感情移入がスムースな画面サイズと距離について」の特集がされていて、たしか6畳の部屋サイズだと最低80インチ以上ないとその臨場感は味わえないとあった。

学生時代に「2001年宇宙の旅」は絶対にここで観なければと、当時東洋一の巨大スクリーンと言われたテアトル東京へわざわざ観にいったのを覚えている。今はシネコンが流行で快適な鑑賞スタイルに満足はしているが、巨大スクリーンが無くなるのも寂しいような気がする。とにかく浮世も忘れてドップリ映画の世界に漬かりきるには大画面が必要なのです。
   
    銀座にあったテアトル東京


・・・・・食器洗い機とモニター
何十年も昔、食器洗い機が発売されたとき雑誌「暮らしの手帳」が茶碗の米粒が落ちないと散々にこけ下ろし、その後日本では食器洗い機はまったく売れなかったそうだ。しかし現在は改良が進んだ新世代の食器洗い機は大ブームになっている。1985年頃にも大画面プロジェクターはあった。しかし、当時秋葉原でデモを観たのだが粒子が粗く暗い映像は、とても見れた代物ではなかった。その印象がずっと心の中にあって、プロジェクターに対する偏見がつい最近まで私にはあった。

ソニーカラーモニタ「プロフィール・プロ」
当然選択肢は大画面のブラウン管テレビということになったが、当時大型の主流は29インチで30以上は1インチ1万円と言われて大変高価な代物だった。ソニーやビクターからはスピーカーやチューナーが無いモニタータイプの高性能テレビがマニアの心をくすぐっていた。
しかし、私は高画質モニターよりパナソニック(当時はまだナショナルと言っていた)の普及型テレビを選んでしまった。理由はひとつ、36インチというその画面は当時市販されている最も大きなテレビだったからだ。画質も装備もイマイチだったがさすが家電王ナショナル、暗くてヘタレた画面になってもまだ健在である。

・・・・・最初のホームシアター完成
大きな画面に大音響。もちろんこれが映画館の魅力だが、マンション住まいにはなかなか辛いものがあった。特に映画鑑賞は夜と決まっていたから音量に関してはボリュームを絞らないわけにはいかなかった。デジタル・サラウンドアンプなるものを買って四本のスピーカーの真ん中に座り、後ろからも音がするというだけで手をたたいて喜んでいた。今から思えばエコーのようなサラウンドだったが、一応我が家の小さな映画館の形が出来上がった。


20年前、最初につくったホームシアター。スピーカーはALTECのDIGでした。
ビデオを借りては、このシステムで映画を楽しんでいた日が懐かしい。家に帰るのが待ち遠しくてしょうがなかったものだ。自分の周りにこれ以上大きなテレビを持っている友人もいなかったしビデオを楽しむ分には別に不満もなかった。しかしこれはコンポ付きテレビであって、私の思い描いているシアターとは別物だった。







・・・・・進化停止
30歳半ばで人生に波乱が起きて、ホームシアターどころではなくなったため専門雑誌の講読もやめ遠目で眺めているだけの年月が流れた。その間にデジタル技術は加速度的に進歩していった。こんなに早く壁掛けテレビが開発されるとも思っていなかったし、携帯電話やインターネットの普及も凄い勢いだった。AVファンとして驚いたのは何といってもハイビジョンだった。あんなに綺麗な映像が家庭で見られるという驚きは、サッカー日本代表がワールドカップに出場決定したときぐらいの驚きだった。(私が生きている間は見ることができないと思っていたという意味) サラウンドも耳を疑うほどの進化でびっくりしたが、0.1を受け持つスーパーウーハーの出現は、マジにこれなら映画館に行かなくてもいいじゃないかと思った。


・・・・・2001年プロジェクターへの旅

ホームシアター熱が再燃しはじめた。昔のイメージを引きずっていたためにプロジェクターを選択肢に入れることなく、迷わず50インチのプラズマを選んでしまったが、その大きさに不満を感じるようになるのに時間はかからなかった。やはり小さい。小さいだけでなくどうしてもテレビの延長という感覚が拭えないのだ。
50V型ハイビジョンプラズマテレビ「PDP-A503HD」アドバンスド・モデル

パネルの反射もイヤだった。室内を暗くして観る映画鑑賞では気にならないが普段使いのテレビとしてみるときにはうるさくてしょうがない。まあ当時は50インチの液晶はまだ発売されていなかったし、多分液晶を買っていたならば今度は視野角殿狭さにきっと文句を言っていたのだろうけれど・・・

プラズマ用に組み立てた舞台は、すぐにまた解体されることになった。




・・・・・プロジェクター購入
大阪の日本橋にプロジェクターのデモを観に行った。正直驚いた。20年前を知っているだけに10万円台の廉価タイプの液晶プロジェクターでも素晴らしい映像だと感心させられた。多少ドットは気になるものの観賞の妨げになるほどのこともないし、部屋さえ暗くすれば100インチに拡大しても暗さを感じないのは凄いと思った。もう買うしかない。
今ではフルハイビジョン対応のこれまた素晴らしい進化を遂げたプロジェクターがマニアの心を燻らせているが、当面は今の機材をトコトン骨までしゃぶらせてもらいながら、資金を蓄えてからの賞味となろう。きっとその頃にはハイビジョンのタイトルソフトが当たり前の世の中になっているのだろうが、我が家の観賞スタイルは多分変っていない。

LCDビデオプロジェクターソニー『VPL-VW11HT』
日本橋で見たプロジェクターの中ではダントツのクオリティーだった。遂に憧れのホームシアターが実現する。
こんなホームシアター

最近は小型プロジェクターに簡易スクリーンでリビングが映画館に早変りといったパターンが多いと思うが、幸いなことに我が家は一部屋をホームシアターに当てることができた。それなら我が家独自の映画館として雰囲気作りをしたくもなるというものだ。私は今でも子供の頃ゴジラを観にいったりした近所の映画館をよく思い出す。場末の小さな映画館だったが、子供にとってはおとぎの国のような存在だった。座席に座っただけで胸がワクワクし、開演ブザーが鳴り徐々に落ちてゆく照明の中で感じた、あのえも言われぬ興奮の感情。あのワクワクした感じを家庭で再現できたらと思う。

    
寝巻キネマへの階段には映画ポストカードのコレクション



シアター構築テーマは桟敷の芝居小屋


現在進行形、ただいま物置状態ですが大人の子供部屋を目指す。


  
往年の名機? SONY VPL‐VW11HT         
 スクリーンを降ろしているところです。



PIONEER DVR-77HとYAMAHA DSP-AX1300

手作り電動スクリーン

スクリーンの昇降と照明の集中リモコン



 1990年頃に買ったスピーカー
 DIATON DS-73D AV
 値段も手頃で映画用に低音を聞か
 せたかったのと当時出ばしりの
 AV用防磁タイプという点が決定の
 理由だった。ご高齢にもかかわらず
 現在も現役で働いています。

センタースピーカーとサブウーハー。そのうち音響関係はヤマハで統一しようと・・・

  
リアスピーカーはコンポの使いまわしというところが三流映画館の特徴。      「寝巻キネマ」は行儀の悪さが自慢です。

私にとってくつろげる空間とはごろ寝スタイルだ。いかに心地よい椅子やソファーがあってもどうしてもくつろげない。だから我が家の映画館は芝居小屋の桟敷スタイル。家庭ならではの快適さの中に非日常をちょっと演出してみたい。「ここで映画を観ることを想像すると、仕事も手につかない」そんな大人の子供部屋を目指している。
機材はお金を出せば揃えることができるが、シアターの雰囲気は自分で作らなければならない。
貧乏映画館の愉しみ

友人宅の豪華地下ホームシアターで贅を尽くしたAV機材による映画鑑賞の機会を得たが、生来の貧乏性のせいかどこかくつろげない雰囲気で、これは私の目指している方向ではないのだろうと思った。勿論お金はあるにこしたことがない、新製品の機材も揃えたいと思う。しかし、貧乏映画館もいいもんだよと負け惜しみを言っておこう。20万円出せば電動スクリーンが買えるが、わざわざ玩具のモーターを使って手造りリモコン・スクリーンを作る愉しみは買えないのだ。
豪華映画館で観ても三流名画座で観ても、映画を見るという楽しみの大きさにはあまり差はない。昔、三本立ての名画座に足しげく通った私にはチープな映画館がお似合いなのだ。というより安心して映画の世界に浸ることが出来る気がする。我が家の機材でも溝口健二の映画に充分感動できるし、ついでにロードオブザリングも楽しめればなお結構、そんなスタンスで楽しんでいる。

         


遺物困惑
AVに凝るとどうしてもエアチェックした作品や映画ソフトを棚一杯に並べたくなるものだ。小生も昔はご他聞に漏れずせっせとBetaでエアチェックしていたが、以外にチェックした作品を後で楽しむことは無い。まあマニアは棚がソフトで埋まっていくその景色が楽しいのだからそれはそれで良いのだろう。しかし、今更あのたくさんのBetaのテープはどうしたらよいのだろう。とても観賞には耐えられない画質(多分カビで癒着してるナ)だろうし、今じゃ同じ作品がDVDで500円足らずで売られている・・・
 

今ではレンタル一本槍で十分満足しているが、ハイビジョンソフトの発売と録画デッキも発売されたとなればやはりまた収集癖に火がつきそうだ。しかし今回も規格が統一されずにソニー陣営と東芝陣営が対立したままでの発売となった。どちらにも長所があり映画配給会社も真二つに分かれて正にがっぷり四つ。Betaの苦い経験があるだけにまたまた悩ましい日々が続く。




QUALIA 004

  TOSHIBA RD-A1

   SONY BDZ-V7

規格競争の勝敗の行方を見極めてから買うべきか、残り少ない人生だし早く楽しい想いをしたいなあという思いもあるし・・・う〜ん究極の選択。ひとつだけ妙に確信を持って言えるのが「どうせ俺が買った機種の陣営が敗者になるだろう」。結構みんなそう思っているんじゃないだろうか。



2008.2.16 更新

次世代DVD戦争にようやく決着がついたようだ。
昨年暮れから勝負はついていたようだが、ワーナーブラザースが全面的にBD陣営につき、アメリカ最大のウォルマートもBDしか扱わないと宣言したそうだ。東芝の損失は数百億円にのぼるという。

ハイビジョンを家庭で録画できるなんて!と驚愕の思いを持っていた小生だが最近はすこし冷静になってきたというか、熱が冷めてしまった感がある。あるTV番組で、「録画好きな日本人」というニュースをやっていたからだ。

アメリカなどでは早くから専門チャンネルがたくさんあって、見たいときに見たい番組をやっているから録画の習慣があまりないというのだ。しかもこれからはネット配信の世の中になるわけで、家庭でわざわざディスクに録画保存するなんてのは時代遅れらしい。

面白かったのは日本人のメカ好きが原因だという理論。日本の電気屋では店員にメカの説明などを聞くと懇切丁寧に教えてくれるが、諸外国では、メカに詳しい店員などいないのだそうだ。もの凄い多機能な家電製品を日本人はいとも簡単に使いこなしてしまう。これでもかというほど機能を満載にしないと日本では売れないという。そういえば携帯電話の説明書も聖書かと思うほどの厚みがあったっけ。ヨーロッパなどでは機能を限定して使いやすくて低価格の携帯が普及しているそうだが、日本ではそれは許されないのだ。

とにかく、BDが勝ちHD−DVDは負けてしまった。そのうちBDの映画ソフトのレンタルも普及するんだろうけれど、それより最近ビデオ店にいってもくだらない映画ばかりなのが気にかかる。特にアメリカ映画は悲惨な状態。いくらBDが高機能でもソフトがつまらなければガス欠の車と一緒ではないか。




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