「市電」と京都再生


 むかし京都には市電があった

「市電」京都ウエストサイド物語

   





市電と京都の公共交通


昭和53年に京都市電は廃止された。
高度成長の真っ只中、ノロノロした市電は車の邪魔とされ
日本のどこよりも早く開通し、市民に愛された市電が姿を消した。

いままた市電が見直されている。新しい公共交通システムの切り札
ライト・レール・トランジット、略して「LRT」だ。
未来の京都の夢として、市電よ再びよみがえれ。




京都市は「歩いて楽しい街づくり」をスローガンにかかげて、市街地のトランジット・モール化をおこなおうとしています。
車の進入を、時間で区切ったり許可制にしたりすることで制限し、外郭地の駐車場や駐輪場の整備、
シャトルバスなどのインフラ整備も含めて長期的なアプローチをしていく方針だそうです。

   
慢性渋滞                                          放置自転車

全面歩行者天国はうれしいことですが、それが京都の魅力を高める本質的解決策かどうかは疑問が多いところです。

明治28年に、日本最初の市電が京都に開通されました。 その後、京都市内の主要道路には、
市電網が張りめぐらされ、端正なスタイルの電車は、京都の街並に馴染んでいました。

80年後、先見性の無い京都市の行政は、学者や知識人、文化人、そして
25万人以上が署名した反対運動を抑えつけて、昭和53年に京都市電は全面廃止されてしまいました。


    


誇りのある街って?

今、世界中でエコロジーの観点から、路面電車が見直されています。
路面電車は、排気ガスを出さないという理由だけでなく、総合的な都市づくりの観点に立って活用されだしました。

デザインは大胆に改良が進み、省エネルギーはもちろんのこと、車椅子やベビーカー利用者がそのまま乗れ、
騒音や振動を制御し、しかも速いという優位性が備わった乗り物になりました。
お年寄りや障害者、子供たちにも配慮され、装いの和洋を問わず、万人の移動手段であると推奨できます。



京都市も最近になってやっと、新しい公共交通システムについて検討をはじめました。
私たちは、「チンチン電車」という言葉に郷愁を覚えますが、今ではLRT(Light Rail Transit)
「ライトレール」と呼び、未来の都市計画の核として注目のシステムです。



 2006年10月 渋滞緩和 模索続く読売新聞より)


 夕暮れの河原町通。片側二車線の道のバス専用レーンをふさぐ車、車、車……。市バスは停留所に着けることができず、走行車線で客を乗せる。さらに後方に車列が伸びていく。  そんな光景に、違法駐停車の禁止を呼びかける初老の男性指導員は「乗客さえ専用レーンで乗せられない。これが京の繁華街の現状です」とため息をついた。
 国土交通省の1999年の調査では、主要道路の込み具合を示す混雑度は、京阪神の三都市で京都が大阪を抑えての一位。平日の大阪でも道路容量いっぱいの平均1・00なのに、京都は1・20。日中は常時、道路容量を二割オーバーして車が走っていることになる。
 格安の一日フリー乗車券、繁華街を小刻みに停留して走る百円バス、携帯電話で運行の遅れがわかるサービス……。ここ四年でマイカー利用者を市バスに呼び戻す作戦が、次々に打ち出された。 地下鉄・東西線(醍醐〜二条)が開通した年の翌1998年度、市バスの利用者は1日平均358.000人。以来、毎年ほぼ1万人ずつ減り、昨年度は32万人に落ち込んだ。 一方、マイカーの1日あたりの利用は10年で12万人増え、133万人に。道路渋滞が市バスのダイヤの乱れにつながり、使い勝手はますます悪くなる。バス離れが加速し、またマイカーを呼び込むという悪循環に陥っている。 市交通局の真下清総務課長は「市バスこそ『最も身近な市民の足』との自負でやっているが、公共交通を根本からどう立て直すか、議論しなければならない」と唇をかんだ。

 経営の悪化に苦しむ市バス事業は、3年前導入した勧奨退職制度などの影響もあり、累積赤字は5年前から100億円以上増えて163億円に。全職員3%以上の賃金カットや手当の見直しに加え、一部の路線運行を民間委託するなど、業務縮小の方向に進んでいる。「均一(基準)運賃の値下げなど、渋滞緩和に効果がある施策を思いついても収支悪化が心配されれば慎重にならざるを得ないのが実情」(同課長)という。

 そんな中、注目され始めたのが 次世代型路面電車(LRT)だ。

 地元経済界が三年前に「渋滞緩和に役立ち、観光都市のシンボルになる」と、都心へのマイカー進入を一部規制し、LRTに乗り換えてもらうなどの構 想を市に提案。低床で高齢者や障害者も乗降しやすく、排ガスを出さないため環境面で評価される一方、専用軌道の確保や需要が見通せないなどの課題が指摘さ れ、構想は宙に浮いた。

 車の増加に押され、姿を消した京都の市電(路面電車)。かつて市電撤去反対運動の先頭に立った元府立大学長広原盛明氏(65)が市長選に名乗りを 上げ、LRTの試験運行を公約に掲げた。一方、桝本頼兼市長(62)も十一月議会で、JR京都駅などを起点とする複数の具体的な検討路線案を明示したこと で、構想が政治課題に上ってきた。

 98年の市のアンケートで、期待する施策に市民は環境保全、交通対策を上位に挙げた。渋滞緩和にLRTはどう影響するのか。道筋はまだ見えない が、〈環境〉に軸足を置いた交通体系の改革論議が広がるなか、“マイカー依存”に限界を感じる市民の意識を具体化する行政の企画力が問われる。

 北村隆一・京都大大学院教授(交通計画論)「古い道路網が渋滞を招いた側面もあるが、京の情緒も作っている。この構造と賢くつき合うことが市民の宿命。京都議定書が締結された都市として市民の間に公共交通の公益性を考え直す機運が高まるのを期待したい」




市民運動

この全く新しい路面電車を、今出川通りに走らせたいという運動が動き出しています。
それは西陣の商店街活性化という、地域の願いが出発点でした。
しかし、この市電復活計画は、京都改造運動の大きな波になる可能性を秘めています。


http://www.geocities.co.jp/WallStreet/6241/imaden.html


今出川通りの東端には、鞍馬・比叡山につづく叡電鉄道と、京阪電車のターミナル駅である出町柳があります。
真ん中の烏丸今出川では地下鉄と連絡し、西の白梅町で嵐電と結ばれれば、たった4キロをLRT化するだけで、
なんと、なんと鞍馬から嵐山までの、全長36kmという長大な路線ができあがることになります。


グリーンが嵐電と叡山鉄道。ブルーが在来のJR、大手私鉄、地下鉄。レッドラインの4kmをLRT化するだけで、36km区間が完成し、
京都駅にも直結。どこからでもバスを頼らずにアクセスできる。




この4キロが繋がり長い路線が開通すると、私鉄や地下鉄を含めれば京都周辺のほとんどの地域から、バスではなく電車を乗り継いで市内の中心部まで行くことができるようになりました。それはただ便利になったということではなく、郊外に大駐車場を整備して車の市内乗り入れを規制するトランジットモール計画が実現可能になったということです。

住民だけでなく市内観光の効率も格段に上がり、道路に余裕が出来てアムステルダムのような自転車専用ロードも可能になりました。おかげで排気ガスを気にすることも無くますます観光が楽しくなったと大好評。

最初は週末の中心部だけだったトランジットモールのエリアも徐々に広がりLRTの路線も増えて、遂に京都市街は全域自家用車の進入禁止という大英断を下すことになりました。このニュースは日本全国にとどまらず海外でも報道され、素晴らしい評価を受けることになります。もちろん観光客の増加にも繋がり、全国にさきがけたこの快挙に京都市民は胸を張って喜びを感じ始めます。そうなればより京都文化の大切さを感じ、京町家の復活や市内の緑化など景観に対する意識も高まって市民運動へと繋がります。

やがて町並みからは派手な看板やプラスチック製品の撤去が自主的に始まり、自然に京都スタイルのトータルデザインが浸透していきます。勿論ゴミや省エネなどのエコロジカルな意識も高まっていきました。

遂に京都市は市内の建築物全ての屋根を瓦葺とする条例を決定。そうなると和服を着る人たちも増えて、普段着さえ和服で通す人も現れました。観光客もこぞって和服で京の町並みに繰り出すと伝統工芸などへの興味も深まり購買意欲へと繋がります。そして京都ブランドの基盤は磐石となり、ますます経済効果も上がっていきました。

たった4キロの線路を繋いだだけで、市民たちは京都の街に、そして自分自身に誇りを持てる様になりましたとさ。



人口150万の巨大都市が、新たに最初から市内電車網を計画し実行するなどということが出来るでしょうか?
下の図は、昔京都に走っていた市電路線図です。今からすぐこれだけの路線を構築する事は不可能です。
失くしてしまったものの価値は、失くしてからしかわからない。 まさに、その通りです。 



この運動がきっかけで、世界の文化遺産を守る100万都市京都が、どこよりもはやく車依存の都市から脱却し、
LOHASな交通手段を構築する事で、きれいな空気をいっぱいに吸い込みながらのんびり歩いたり、
自転車でスイスイ安全に動き回れる市街をつくる運動の、大きな第一歩になってくれることを切望します。



「京都にライトレールを走らせる計画」進行状況

推進プランの年次計画
(平成13年3月策定)
実施状況
13年度  調査・検討 交通需要管理施策総合計画の策定調査の中であり方を検討
14年度  必要に応じ,具体的な調査・検討  国内外の事例収集及び分析並びに導入に係る
 課題の整理等の調査を実施
15年度  取組の推進  詳細な検討を進める具体的な7路線を抽出
 (11月)
    
 
16・17年度  取組の推進 【16年度】
 15年度に抽出した路線について詳細検討中。
都市計画局資料より



京都市ホームページ 京都交通制作室

京都市 LRT(新型路面電車)ニュース

行政による最新情報ページです。このページを見れば、
現在のLRT計画推進状況がほぼわかります。
 2006年6月3日
「今出川通りの交通まちづくりとLRT」シンポジューム開催

議事録 http://www.city.kyoto.jp/tokei/trafficpolicy/lrt/sympo_ima.html#sympo
 
 2007年1月24日
新型路面電車(LRT)の交通社会実験を実施

実施結果の概要 http://www.city.kyoto.jp/tokei/trafficpolicy/lrt/jikken.html
 2006年1月13日〜2007年2月21日までの市民アンケート結果

アンケート結果
http://www.city.kyoto.jp/tokei/trafficpolicy/lrt/enq_a.html

   
 
2007年9月23日
人と環境にやさしい交通をめざす全国大会in京都開催
http://www.areev.org/

2007年10月5日

京都市中心部で5日から、歩行者優先のまちづくりを目指す交通社会実験が始まる。烏丸・四条・河原町・御池通に囲まれた地区を中心に、14日まで順次、四条通のトランジットモール化や無料の臨時駐輪場開設などの実験が展開された。








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